「SEOの技術バイブル」西山 悠太郎,小林 睦

雑感


数ある、SEO本の中でも非常に網羅的で実践的な良書。
「技術バイブル」と表題にあるのでテクニカルSEO中心かと思いきや
テクニカル、マーケティング、コンテンツの3大テーマと
実装 ~ 運用フェーズまで実務上の基本的なフローが網羅されています。

SEOの基礎を学びたい人は本書を片手に手を動かすことで
実践的な知恵を習得することが期待できる。
実務で知識や経験が”虫食い”状態になりがちな
SEO中級者も本書を精読することで
網羅的に SEO の知見をアップデートすることができるのでは。

推薦したい人

仕事で”SEO “という単語を聞く人全員。

おすすめ度:★★★★★

Chapter1:SEOの基本

ⅰ SEOの必要性
ⅱ 検索エンジンとSEO
ⅲ HTMLの基本構造

Webマーケティングの全体像とSEOの優位点や
SEOと広告の違い、検索エンジンの仕組みや
Search Console の使い方、TD、見出しなど
SEOの”基本概念”を統一するのに有効。初心者必読

Chapter2 マイナス評価を回避するSEO

ⅰ 1URL1コンテンツの原則
ⅱ エラー対応
ⅲ スパム対応

 SEOの施策概念
 ① 守り:マイナスをゼロにする
 ② 攻め:ゼロをプラスにする
 ③ 掛算:1を10にする
 の「①守りのSEO」のパート。
 施策基盤の「整備」や「土台」と言われる部分で
 このパートが徹底できていないと他の施策の効果も出づらくなる。
 システム的な要因で懸念が大きい場合、リニューアルが必要になることも。

Chapter3 サイト構造・リンク構造

ⅰ分かりやすいサイト構造
ⅱ 辿りやすいサイト内部リンク

 「Chapter2」が実装時の注意点中心だったのに対して
 この章は概念的な情報設計のお話。
 中規模以上(数千ページ)のサイトでは必須。
 データベース型のサイトではURL、
 大量のコンテンツがある場合はテーマ構成の設計が重要。

 情報設計はサイトマップやメニュー構成
 パンくずリストやタイトルなど多くの施策に関係するため
 実務上も最初にしっかり考えた方が良い。

 参考書籍
 MECE
 IAシンキング 

Chapter4 Googlebotの制御

ⅰ Googlebotのクロール制限
ⅱ Googlebotのクロール促進

 googlebot の制御に関する章。
 制御方法・パターンや悪質なbotに対する”制御”の話と
 効率的にクロールしてもらうための”促進”のお話。
 クロールしにくい大規模サイトや更新頻度の高いメディアではやりきっておきたい。

Chapter5 セマンティックなマークアップ

ⅰ 構造化マークアップ

 HTMLの情報醸造の話から構造化マークアップの実装手順まで
 Googleが推進する「セマンティックWeb」に対応するための章。
 年々、マークアップできるコンテンツが増えており、
 自社サイトで対応可能な項目はリストアップしておくべき。

Chapter6 サイトの高速化

ⅰ webページの表示プロセス
ⅱ ネットワーク処理の高速化
ⅲ レンダリング処理の高速化
ⅳ キャッシュ活用などの高速化技術
ⅴ 表示速度の計測ツール
ⅵ サーバー処理の高速化

 CDNやhttp/2,Jsの最適化など
 日本はネット環境が整っているため、課題感は大きくないが
 欧米ではWebサービスのKPIとして重要視されているサイト速度。
 SEO観点でもページスピードの議論は必要だが
 ユーザー体験として「遅いより早いほうがいい」をもっと普及させたい。

Chapter7 HTTPS化・モバイル対応・AMP対応

ⅰ セキュリティを高めるHTTPS化
ⅱ 検索行動の過半数を占めるモバイルへの対応
ⅲ モバイルで高速表示されるAMP

 HTTPS、MFI(モバイル対応),AMP は
 ここ1~2年で大きく対応率が上がった項目。
 AMPはビジネス的な実装可否の判断が難しい場合が多いので
 PWAを推奨したい。

 参考URL:
 はじめてのプログレッシブ ウェブアプリ | Web | Google Developers
 https://developers.google.com/web/fundamentals/codelabs/your-first-pwapp/?hl=ja

Chapter8 コンテンツSEO

ⅰ Googleのコンテンツ評価指標
ⅱ 検索クエリとユーザーニーズ
ⅲ 市場調査によるニーズと規模の把握
ⅳ 競合との比較
ⅴ コンテンツの作成 

 Google検索における”品質”の判断基準が最初にあるのが○。
 執筆者観点の”良い文章”と混同しないことが大事。

 SEOの3大トピック、
 マーケティング、コンテンツ、テクニカル で考えると、
 この章で出てくる”マーケティング”は別の章を立てたかった。
 KW収集からグルーピングまでのキーワード選定は
 市場・競合・ユーザーの理解を深めるために重要。
 
 想定流入数やファインダビリティスコアと呼ばれる
 定量数値によるプランニングは解説ページ作ります。 

 内部調査の解説もあるが、コンテンツ制作時に必要な最小限の内容。
 内部調査・分析自体は
 PJT開始時に市場調査とセットで実施することが多いため、
 各観点を網羅的に調査する「内部分析・調査」として解説ページ作ります。

Chapter9 リンクビルディング・サイテーション

ⅰ 外部施策の評価指標
ⅱ 効果的なリンクビルディング
ⅲ SNSでのリンクビルディング

 昔は内部・外部施策で2大施策と言われていたが
 日本では有料・自演リンクの黒い歴史があるせいで
 本来のリンクビルディングを施策できる人が少ない。

 SNSやサイテーション文脈のライトな施策で啓蒙を行い
 関係性構築を軸とした本質的なリンクビルディングが求められている認識。

Chapter10 モニタリング・保守

ⅰ 検索からCVまでのファネルモニタリング
ⅱ ドメインURLの変更
ⅲ 特殊ケースへの対応
ⅳ 変化の時代におけるSEO担当者の役割

 運用フェーズのOODA、PDCAが回っているかで施策の効果が大きく変わる。
 検索流入や順位計測はもちろん、売上貢献度を可視化して、
 事業貢献を”お金”で提示できると以降の施策も展開しやすくなる。

 「SEO担当者の役割」
 1ページだけですが、深く味わいたいページ。